78年に発売された2バンドラジオです。78年といえば、イラン革命を契機に第二次オイルショックが起こり、世の中一斉に緊縮ムードとなった年です。とは言え、原油価格急騰の影響自体は第一次ほどでは無かった様で、いまでも開発途上国で時々目にする「XXの買い占め」の様な事はそれ程起きませんでした。一方で就職については各企業が一斉に採用を控えた関係で就職氷河期の様相を呈し、翌年79年迄は厳しい状態が続きました。ラジオがどうだったかを見ると、未だBCLブームは有り、ソニー辺りは海外向けの小型マルチバンドのICF-7600シリーズがヒットして割と意気軒昂だったろうとは思いますが、他メーカーでは然程大きなヒットが出ず、国内は沈滞ムードだったかと思います。省エネ、節約が叫ばれ、ラジオ界にもその影響が有ったのでしょう。このモデルは出力を2段階に切り替えられ、節約モードでは145時間の連続使用可能とカタログに書かれています。長時間使用を可能としたのは単1電池を2本使った事もあります。単1はラジオで多用されている単2の二倍以上の容量が有り、内部抵抗も低いので実際には容量差以上の耐久性が有るものと思われます。更に物理的に感度を上げる為に太く長いフェライトアンテナを内蔵させ、アンプの負荷を下げる為に、非常に強力な磁気回路と軽いコーンを持った高効率スピーカーを採用しています。ボディは不要共振を避ける為に分厚いプラスチックで一体成形とし、前後は太いネジ5本でしっかりと止めてあります。参考までに内部の写真もアップしましたが、ポータブルとしては最強の磁気回路、非常に太く長いフェライトアンテナを確認出来ます。本来は省エネを目指したのでしょうが、結果としてこのモデルは音と感度が非常に良い。出力は僅か0.25W、節約モードでは更にその1/4と言う非力さですが、驚く程の大音量で朗々と鳴ります。更にボディもびりつきません。なんとなれば内部に更にスピーカーと基盤を固定するフレームがある為です。希少でオークションサイトでも余り目にしません。意外にも丈夫そうなアルミダイキャストの取手が折れ易く、この個体の状態の物は少ないようです。電池はお付けします。非力なアンプで高能率のスピーカーを駆動すると言う真空管時代の様なラジオで面白いと思います。尚、アンテナは途中からの継ぎ足しでオリジナルではありません。
カテゴリー: | テレビ・オーディオ・カメラ>>>ラジオ・コンポ>>>ラジオ・ラジカセ |
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商品の状態: | 傷や汚れあり |
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ブランド: | ソニー |
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配送料の負担: | 送料込み(出品者負担) |
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配送の方法: | 佐川急便/日本郵便 |
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発送元の地域: | 千葉県 |
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発送までの日数: | 1~2日で発送 |
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